楽園の炎
しげしげと反物を見ながら言い、ナスル姫は思い出したように顔を上げた。
「あ、さっきの誰かに頼まれたやつね?」
そう、と言いながら、姫の手から反物を取り、憂杏は立ち上がった。
そこでふと、天幕の中を見回し、姫に視線を戻す。
「これを渡しに行ったついでに、昼飯を調達するか。お姫さんのものも、ちょいと揃えないとな」
「わたくしのもの?」
「しばらくお姫さんを預かるってことは、生活をまるっきり共にしてもいいってことかな」
だとしたら、身の回りのもの一式を揃えなければならない。
着る物や、部屋を仕切るカーテンのようなものも必要だろう。
結構な出費になるな、と考えていると、ナスル姫が再び腕に引っ付いてきた。
「わたくしのものなんて、そんな必要なくってよ。憂杏のものでいいわ」
にこりと微笑む。
「でもさ、やっぱりちゃんと、生活空間は仕切らないと、まずいだろ」
曖昧に笑う憂杏に、ナスル姫は何故? という目を向ける。
さらに、ぶんぶんと頭を振った。
「やだ! ずっと一緒にいてくれるって言ったじゃない! だったらずっと、ちゃんと傍にいてよ!」
「いや、傍にはいるよ。そうでなくて、ほら、夜とか」
天幕の中を仕切ったところで、そう広くないので知れている。
何も天幕自体を別にするわけではないので、すぐ傍にいることに変わりないのだ。
だがナスル姫は、必死に憂杏の腕にしがみつく。
「あ、さっきの誰かに頼まれたやつね?」
そう、と言いながら、姫の手から反物を取り、憂杏は立ち上がった。
そこでふと、天幕の中を見回し、姫に視線を戻す。
「これを渡しに行ったついでに、昼飯を調達するか。お姫さんのものも、ちょいと揃えないとな」
「わたくしのもの?」
「しばらくお姫さんを預かるってことは、生活をまるっきり共にしてもいいってことかな」
だとしたら、身の回りのもの一式を揃えなければならない。
着る物や、部屋を仕切るカーテンのようなものも必要だろう。
結構な出費になるな、と考えていると、ナスル姫が再び腕に引っ付いてきた。
「わたくしのものなんて、そんな必要なくってよ。憂杏のものでいいわ」
にこりと微笑む。
「でもさ、やっぱりちゃんと、生活空間は仕切らないと、まずいだろ」
曖昧に笑う憂杏に、ナスル姫は何故? という目を向ける。
さらに、ぶんぶんと頭を振った。
「やだ! ずっと一緒にいてくれるって言ったじゃない! だったらずっと、ちゃんと傍にいてよ!」
「いや、傍にはいるよ。そうでなくて、ほら、夜とか」
天幕の中を仕切ったところで、そう広くないので知れている。
何も天幕自体を別にするわけではないので、すぐ傍にいることに変わりないのだ。
だがナスル姫は、必死に憂杏の腕にしがみつく。