楽園の炎
「・・・・・・おい、おい朱夏。大丈夫か?」
ぼんやりと目を開けると、夕星が肩を揺すっていた。
朱夏はしばらく目の前の夕星をじっと見、ゆるゆると視線をめぐらした。
夕星の肩越しに見えるのは、相変わらず降り続く雨と、灰色の空。
そして、その下にいくつか見える天幕。
「あ、あれ? えっと・・・・・・ここどこ?」
慌ててもたれていたクッションから身を起こす。
「今日の野営地。寒いのか? 気分は?」
夕星が、起きた拍子にずり落ちた毛布をかけ直しながら言う。
どうやら輿に揺られているうちに、眠ってしまったようだ。
輿が止まったことにも、全く気づかなかった。
「わわっ。全然気づかなかったわ! ご、ごめん。皆は?」
「葵王は兄上が、向こうに連れて行った。国から迎えに来た隊があるからな」
何故か夕星は、渋い顔で言う。
「じゃ、あたしもご挨拶しないといけないんじゃないの? 大変っ!」
急いで輿から出ようとした朱夏が、ひょいと顔を出した途端、少し離れたところから歓声が上がった。
続いて、わらわらと兵士が集まってくる。
あまりの迫力に固まった朱夏の前で、夕星は小さく舌打ちした。
ぼんやりと目を開けると、夕星が肩を揺すっていた。
朱夏はしばらく目の前の夕星をじっと見、ゆるゆると視線をめぐらした。
夕星の肩越しに見えるのは、相変わらず降り続く雨と、灰色の空。
そして、その下にいくつか見える天幕。
「あ、あれ? えっと・・・・・・ここどこ?」
慌ててもたれていたクッションから身を起こす。
「今日の野営地。寒いのか? 気分は?」
夕星が、起きた拍子にずり落ちた毛布をかけ直しながら言う。
どうやら輿に揺られているうちに、眠ってしまったようだ。
輿が止まったことにも、全く気づかなかった。
「わわっ。全然気づかなかったわ! ご、ごめん。皆は?」
「葵王は兄上が、向こうに連れて行った。国から迎えに来た隊があるからな」
何故か夕星は、渋い顔で言う。
「じゃ、あたしもご挨拶しないといけないんじゃないの? 大変っ!」
急いで輿から出ようとした朱夏が、ひょいと顔を出した途端、少し離れたところから歓声が上がった。
続いて、わらわらと兵士が集まってくる。
あまりの迫力に固まった朱夏の前で、夕星は小さく舌打ちした。