【短編集】放課後は君との時間
思っていたよりも真面目な指導だ。
でも、僕は指導よりも彼女が動くたびにふわ、と鼻をくすぐる甘いバニラの香りに気を取られていた。
ふわふわの髪が揺れるたびにどき。と胸が高鳴る。
「ちょっと、ちゃんと聴いてるの?」
しかめっつらで僕に近寄る歌姫。
ふわふわの髪が近づき、香りが強まる。
しかめっつらですらかわいくて仕方ない。
「ねぇ、!聞いてるの!」
なにも言わない僕に痺れをきらしたのか、彼女は声を荒げた。
「あ、うん、ごめん、聞いてる。ちょっと君のことを考えてた」
僕はなにを正直に答えているんだろう。
これじゃあただの変態みたいだ。
「私の、こと……?」
「あ、や、今のは気にしないで」
首を傾げる彼女から視線をそらす。
「いやよ、今、私のことって言ったわよね?」
ぐ、と僕の目の前まで詰め寄る歌姫。
もうだめだ。
でも、僕は指導よりも彼女が動くたびにふわ、と鼻をくすぐる甘いバニラの香りに気を取られていた。
ふわふわの髪が揺れるたびにどき。と胸が高鳴る。
「ちょっと、ちゃんと聴いてるの?」
しかめっつらで僕に近寄る歌姫。
ふわふわの髪が近づき、香りが強まる。
しかめっつらですらかわいくて仕方ない。
「ねぇ、!聞いてるの!」
なにも言わない僕に痺れをきらしたのか、彼女は声を荒げた。
「あ、うん、ごめん、聞いてる。ちょっと君のことを考えてた」
僕はなにを正直に答えているんだろう。
これじゃあただの変態みたいだ。
「私の、こと……?」
「あ、や、今のは気にしないで」
首を傾げる彼女から視線をそらす。
「いやよ、今、私のことって言ったわよね?」
ぐ、と僕の目の前まで詰め寄る歌姫。
もうだめだ。