すたにゅら☆【BL】


「だいたいこんな感じですかね」

僕は伊織ちゃんとの馴れ初めから伊織ちゃんの死までを龍ちゃんに話した。

龍ちゃんは下を向いている。

いきなりこんなことを言ってしまったのを僕は後悔した。

龍ちゃんに嫌われたくない。

「・・・・・・ぅ」

龍ちゃんがバッと顔を上げる。

その目には溢れんばからの涙があった。

「・・・広次さ・・・んっ!なん・・・で黙ってたんですか!そんな大切なコト!!!!」

龍ちゃんが泣いた。

何故なのか分からない。

龍ちゃんが泣いてしまったのだ。

「・・・なんで?」

「なんで黙ってたんですか!?」

なんで龍ちゃんが泣くの?

「なんで龍ちゃんが泣くんですか?」

「だって・・・広次さんにとって辛い過去でしょ?・・・辛かったし、今も辛いでしょ?」

辛い?

「辛くなんてないよ」

「嘘だ」

「辛くなんてない!僕が大地を守らなきゃいけないんだ!弱音なんて吐けない!!!!」

「・・・ほら」

龍ちゃんは僕を見つめた。

涙を流した目で。


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