ちっぽけな幸せを君に
 「どないしてん?」


 俺の顔を覗き込みながら関西訛りの言葉で男はそう言った。


 「……」


 「こんなところで寝てたら風邪引くで?」


 俺は男の言葉を無視し、立ち上がろうとしたが全身に鈍い痛み走り、その場にへたりこんでしまった。


 「そないな傷で動けるわけないやろ?ほら、肩かしてみ」


 男は肩まである髪をかき上げると、横にしゃがみ込み俺の腕を自分の肩にかけて立ち上がった。


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