独身マン
「あ、もうそろそろ帰らなくちゃ」


「そっか~」


「また“みんな”で遊びにいきましょね」


「了解~」



こうしてさえを家へ送っていくことに。 その車内では・・・。



「俺さっきのファミレスで、よく知り合いのおっさんと喋ってるんだけどさぁ。 あ、前の職場の人。 あの店24時間やてるジャン? 夜中じゅう、ずーっとその親父のグチ聞かされてるんだよね~」


「ふ~ん」



正義マメ知識
その23



正義はよく職場の人に“朝まで付き合わされた”と自慢話をするが、ほとんどが親父相手の話題しかでない。



「・・・」



少し話しにつまる。 正義は片手運転にし、左手を自分のももの上に乗せた。



ドキドキドキ



(ココには2人っきり・・・)



さえをちらみする正義。 さえは両手をひざの上に重ね、窓の外を観ていた。 手を延ばせばさえに触れる距離。



「・・・」



正義はそっと、そんなさえの柔らかい手に、緊張して汗ばむ手を重ねた。
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