独身マン
親族大集合
12月31日。 仕事は2日前から休みに入った。


仕事の忘年会には参加したけど、これといって何の収獲も無い。 さえと春海とも喋ってはいない。 クリスマスに断られたのがむかついて、自ら避けていた。



「正義くん。 昼前にはお姉ちゃん達くるからね」



母が茶碗に米を盛り付けながら言う。 正義は「うん」と一言返した。



毎年地方にいる姉夫婦が泊りがけでこっちにやってきては、そして一緒に新年を迎えるんだ。



「みんな来るからキレイにしなくっちゃ」


「姉ちゃんが勝手にくるだけじゃん」



正義は姉と2人ッ子。 姉の名前は加奈。 二次の母で、正義とは正反対の「ど」キツイ性格をしている。 小さい頃からよく虐められたものだ。



「だいたいお年玉目当てだろ。 自分の家の掃除でもしてろよ(そういう自分も未だにもらっている)」


「でも加奈ちゃんはきれい好きだからねぇ。 大掃除なんて一週間に一回はやってるし、昨日のうちにでもやったんでしょ?」


「いいよな。 暇人で」




正義は八方美人な姉が気に入らない。 小さい頃から自分と違って人付き合いが上手で、難関も上手い事すり抜けるタイプだ。



「女は責任がなくていいよな。 好きなコトやってたって、生きていけるし」。 なんて、初めて姉に言い返したトキには、「アンタに責任なんて廻ってくるの?」と嫌味を上乗せされただけだった。




正義マメ知識
その26


正義の、“女(だけではないが)に弱いのは、ずっと姉が上から圧力をかけていたからか? 他人からもバカにされそうで怖い。(しかしすでにバカにされてはいるが・・・)


“キツイ女嫌い”はここが原点。
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