独身マン
「ねーねー。 昨日さ、また夜に田端さんから電話がきたよ」


「え? なして春海ちゃんの番号しってるの?」


「さぁ? けしたって言ったんだよね?」


「うん。 履歴かなぁ」


「あ~・・・」



今日はそんなことで、さえと春海は2人で昼食をいつものパン屋に食べに来ていた。



「でもさ~。 なんか今日朝、田端さんに会ったけど冷たかったよ」



春海はチョコロールを手にとり、小さな口で一口かぶりついた。 しかしほとんど食べれていない。 きっとこれが彼女の食べるペースなのだ。 さえも、バジルチキンサンドをかじろうとしたけど、やめて答えた。



「あ~。 私にも最近冷たいよー。 意味分からんね」


「うん。 なんか美紀子さんとかにはヘコヘコなのにねー」


「あたしらが年下だからバカにしてんだよ」


「あー、そーかもー」


「恐くて意見もいえないくせして生意気だな」



さえはサンドを食べた。 さえは一口が大きい。



年下に生意気といわれるこの主人公。 威厳の無い証拠だ。
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