pinkな関係 桃華×悠【完結】
「悠が…女の子のことであんな顔をするのはじめてなのよ?」



あんな顔?



「ドレスを見ながら、まるでそのドレスを誰かが着ているかのような…嬉しそうな…そんな顔をするの。しばらくじっと見つめて動かないわ。


きっと悠にとって…あなたが初恋よ?」



そう言って微笑むお母さんに、とうとうあたしの涙腺は参ってしまった





我慢してた分、一度溢れた涙は止まってくれなかった




「…っ。…うっ…ひっく…すみま…せん」




目の前でこんなに泣かれたらお母さん困るよね

泣き止まなきゃ…そう思っていても思うようにはいかなくて…




「もし…あなたが悠のことをまだ想ってくれてるのなら…このドレス、着てもらえないかしら?」




「え…?」


お母さんの一言にあたしは驚いた



「でも…」



「大丈夫。悠は絶対に喜ぶから…」


なんだかお母さんの言葉には力があった

不思議とお母さんがそう言うと大丈夫な気がしてくる



大丈夫。

なんて…なにに対して言ってるのかよくわからないけど。

それでも今のあたしには十分な言葉だと思ったんだ

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