【短】尽忠男

「お前それさ、意識されてんじゃね？」


「へ？」


さっきの出来事を昭人に愚痴ると、まさかのリアクション。

俺は驚き過ぎて声が裏返った。


「意識!?」


「だってあのクールビューティーの志維がだぞ？顔真っ赤って考えらんねぇんだけど」


言われてみれば、確かに…。

そういえば俺、無視されたわけじゃないもんな。


「それって…俺、喜んでいいの？」


恐る恐る昭人に聞き返す。


「さあ？まぁでもその内分かるんじゃん？慶二だって女慣れしてないわけじゃないし」


何だ…それはつまり、自分で確かめろよってことか。

……それもそうか。


恋愛なんか一人でしたって、ただの妄想の世界だし。

分からないなら確かめるしかない。


行動するか、聞いてみるか…方法は限られてる。