獅子の生きる道
闇の王様

「おーい、トラトラトラトラー!」

耳元で女の声がする。

目覚めると、傍にはネロの顔があった。

「もうちょっとマシな起こし方はなかったのか?」

「えー、だって、虎、起きないじゃん」

「それでも、起こすのがお前の役目だろうに」

虎島虎というのが俺の氏名で、傍にいるのがネロ=ネル=ネルネという女だ。

ここは異世界らしく、居酒屋で酔っ払い、道端で眠りこけていたら飛ばされた。

理由は知らない。

帰る方法も知らない。

だが、困っちゃいない。

飛ばされたら飛ばされたで、そこの生活をすればいいだけだ。

帰る方法が見つかった時にだけ、帰れば良い。

急ぐつもりもない。

「ねえ、虎」

「ああ?何だ?」

「今日も出かけるの?」

「まあな、何もしないよりはましだ」

俺は異世界の道端で寝てるところをネロに拾われた。

ネロは猫のような耳に猫のような尻尾、ピンクの髪を持ち、動きが人間よりも俊敏である。

そして、魔界の住人だ。

魔界とは、人間界と同じく色々な輩が住んでいる。

形は統一されちゃいないがな。

人間界と魔界は繋がっているらしい。

表では友好条約やらなんやらを組んでいて、手続きを通せば魔界にも人間界にもいけるわけだ。

しかし、あくまで表での話しであるわけで、裏で何をやっているのかは知らない。

興味もないけどな。

ただ、俺の邪魔をするのなら、ぶった斬るだけだ。
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