Reality~切ない恋の唄~
静かに涙をぬぐうと、
麗さんは寮へと走り出した。



「麗さん…!!」

私の呼びかけに振り返ることなく、
うつむいたまま走っていく麗さん。

それ以上、
追ってはいけない気がした。



「あいつ、どうしたんだ…
何かあったんだろ?」

麗さんのあの様子を見て、
何もないと思うほうが不自然だ。



でも…

「私は…知りません。
ごめんなさい。」

それだけ答えると、
私も寮に駆け込んだ。
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