俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
ケータイのディスプレイを見れば相手は祈織お兄さんだった。
「もしもし、祈織お兄さん、どうしたんですか?」
「あぁ、ちょっと実來ちゃんと出掛けたいところがあってね。今から下に降りてこられる?」
……出掛けたいところ?
「あ……、はい。今行きます。」
「じゃあ、下で待ってるね。」
こんな状態の中あたしが出掛けても大丈夫なのかなと疑問を残しつつ、あたしは電話を切った。
あたしはどこに行くのかも知らぬまま、とりあえず出掛けるため部屋にモッズコートを羽織りに行き玄関へと向かう。
「おい、スキャンダルがどこ行くつもりだよ?」
スニーカーを履いていたらからかうような声がした。
「何その言い方!今、祈織お兄さんから連絡があったからちょっと行ってくる。お父さん達に言っといて。」
早く行かなくちゃとドアノブに手をかけたけど、またお兄ちゃんがにっこり笑って厄介なことを言いだす。
「祈織と!?行く行く、俺も!」
「お兄ちゃんはついてこないで!!」
あたしは、ついてこないようドアの外に出るとすぐさまピシャリと閉めた。
これで、よしと!