恋屑(コイクズ)-短編集-

「同じクラスのかっこよくて優しくてため息のつかないさとしくんにあげるチョコ」





べーっと舌をだしまさやになんかあげないもんと言う先輩





「オレためにチョコ作ってくれたんじゃないの?」





「うぬぼれんな!まさやのなんてないからー!」





「だってオレ、先輩の彼氏でしょ?」





そりゃ、うぬぼれるでしょ





チョコくれるもんだと思うよ





…まあ、さっきまですっかりバレンタインなんて行事忘れてたけど





「じゃー、ちゅーしてくれたらあげる」





にこ、っと小首をかしげて笑う先輩





彼氏だもん、ちゅーしてよ?って…先輩、場所考えて




でもオレとことん先輩に甘いから…





「んー…」





先輩のグロスでひかる唇に軽くキスをする





…周りの冷やかしの声は聞こえないふりで





「まさや好きー♪はい、手作りチョコ!!」





先輩はオレにチョコの入った甘いにおいのする紙ぶくろを差し出す





「さとし先輩にはあげなくていいの?」






先輩からのチョコはすごく嬉しいけどさっき言われて少し引っかかっていたことを聞いてみる






…誰だよ、さとしって





「もしかしてヤキモチ〜?えへへ、さとしくんはただの友達だよ?」






そう言うと先輩は背伸びしてオレの頬にキスをすると





「じゃー放課後、一緒に帰ろーね?」





と、言い自分の教室に戻っていった





\ハッピーバレンタイン/





オレの彼女はわがままで小悪魔な先輩です






-END-
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