恋屑(ｺｲｸｽﾞ)-短編集-
No.13
桜の季節
卒業って何で春や桜のイメージが強いのだろう
実際の高校の卒業式なんて(私の住む地域は特に寒いから)まだ雪の残るなか、ピーコートを着て、ムートンを履いて、寒いって友達と話しながら学校へ行く
テストが終わったばかりで眠そうな在校生に見送られ、まだ春なんて程遠いのに学校から追い出されるように卒業
進路だって確定してないのに
合格発表は卒業して何日か待たないとわからない
でも、もう私は高校生ではなくて、まだ大学生にもなれていない
今日以降、制服着たらただのコスプレじゃん
…とかってうだうだ考えている私はただ今という現実から目をそらしたいだけ
だって卒業したら君は上京しちゃうんでしょ？
私は君ほど頭も良くないしお金だってそんなにある家じゃない
いくら君を好きだって気持ちが強かったとしても今日で君とはお別れなんだ
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