恋心



だからケリをつけたんだ。


ナミのためにも、罪悪感にかられる自分のためにも。


そして、一ヶ月半が過ぎたけど。


相変わらずまぁ、俺はモテる。


昨日も一年の後輩に呼び出されて告白された。


好きです、付き合って下さいって。


でも。


「ごめん、そういうのないわ」


即答で返事をして、断った。


そしてついでに聞いた。


「つーか俺のこと好きって、どこが好きなの」




好きとか言ってくるけど、一度も話したこともないような奴が俺のどこを好きなのかなんていちいち聞かなくてもわかる。



「あっ…かっこいいところ、です」



結局は見た目なんだ。

別に容姿に自信があるわけじゃなかったけど、こういうことが繰り返されるうちに勝手についていった見た目への自信。


かっこいい、かっこいいって。

そう何回も言われてると、そうなのかって納得するようになった。



見た目は良いらしい。

だから中身なんて知らなくても、俺がどんな奴なのか分からなくても、簡単に近付いてきてそして、もっと軽く簡単に好きだと口にする。

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