オトナとコドモの境界線



「あら貴一先生、おはようごさいます」


校門をくぐった俺を見つけた掃除のおばちゃん、竹中さんが声をかけてきた。
竹中さんはこの道15年のプロらしく、うちの大学に来たのは7年前の事らしい。

俺よりも早くこの大学で働いてんだからある意味“先輩”だな。


「どーも。いつもお疲れさんです」
「いーえ。にしても貴一先生、急がなくていいのかい?もう入学式始まっちまうよ?」



……げ、もうそんな時間かよ。確かに家を出たのいつもよりちっと遅かったしな、それでも間に合う計算だったんだが。

桜台風で余計な時間とられちまってたか。


「さっきも女の子が慌てて走って行ったからねぇ、走りながら挨拶してくれる良い子だったけど……なんか今年の入学式はバタバタしてるわ」
「女の子…」


さっきのヤツか。
つか急いでんなら挨拶なんてしなくていいだろ、変なとこ律儀なんだな。



「ん?もしかして知り合いかなんかかい?」
「……いや」


竹中さんも見ただけでさっきのヤツを知ってる訳じゃあなさそうだしな。

……それより何故俺はあのバカか方向音痴の女の事聞こうとしたんだ?


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