未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

「湊ちゃん! なんなら俺がレポート書くの手伝っちゃおっか?」


ゲッ! なんであんたに!?


「そうだ! 今日の放課後あたりどお? どっかでお茶でも飲みながらー」


椅子に座ったまま、にじり寄ってくる吉井。


「それとも俺んち行く? 直行しちゃう!?
俺の部屋で手取り足取り……その他の色んなことも教えちゃおっか?」


その時、眼鏡の奥の切れ長な瞳がキランって光った気がした。


「ちょっとっ近寄り過ぎだってば!!」


リカが吉井の肩を掴んでグイッと後ろへ下げる。


「レポート書くのに手取り足取りは必要ないでしょ!」


そうだよ。
レポートは、辻之内に手伝ってもらうことになってるんだし。

といっても、まっ、いつもの吉井の冗談だろうけど。

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