未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
階段を降りきったところでリカが立ち止まる。
「じゃ、あたしはここで。
湊バイバイ。また明日ね?」
「うん。部活がんばってね」
肩のちょい上でカールされた髪を揺らしながら駆けて行くリカ。
『あたしもフリー』なんて言っても、部活に行けば好きな人がいるんだもん。
その後ろ姿は、ふわふわと弾んでる。
「それじゃあ湊ちゃん、俺達も仲良く帰ろっか?」
ってまた肩を組まれそうになったけど、それを察知して交わしたらニッコリ笑う辻之内と目が合った。
「学習したね?」
「え。 ……ま、まあね」
ドキッとした。目が合っただけなのに。
今度は小刻みにじゃなくて。
しっかりと今確かに、あたしの心臓、ドクンって跳ねた。