未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「湊ー、やっぱ男はここよね~」


なんて自分の胸に手を置くリカ。


「男はハートよ!
あんな中島みたいな顔だけのヤツ、やっぱりろくな男じゃなかったかも」


と吐き捨てるように言った。



愛しのナカジーも今では中島呼ばわりで。


まぁ 仕様がないよね。


タバコ片手にパチンコしてるとこ見つかって。

おまけに謹慎明けすぐに、ラブホ入ってくとこ捕獲されたという。

その相手は、前にリカがウワサしていた1組の佐野さんってコ。


カラオケでのことは、リカには言ってないけど。

あたしからもオススメできる相手ではなかったから、よかったのかな。




「それで湊ー、試合観に行けるの?」


「えっ? あぁーごめん。
今日は辻之内と一緒に帰る約束なんだ」


「約束って、いっつも一緒に帰ってるじゃない?」



不服そうに唇をとがらすリカには悪いけど。


今日は一緒に帰るってだけじゃなくて。

前に聞きそびれた話をしてもらうことになってるから。


横浜へ行った時に『あとで』って言われた話を。
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