未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
*未熟な天使
窓の外には、青々とした葉をいっぱいつけた桜の木。
「中川」「はい」 「庭木」「はーい」
教壇の上では担任のキジモンが出席を取っている。
「真杉」「ハイッ」 「渡瀬」「はい」
キジモンと女子生徒の声が交互に耳に入って、いつものように眠くなるあたし。
ここは3年6組。
あたしは先月、高3になった。
(はぁ~~あ)
思わず出た欠伸を隠すことなく何気なく前を向くと、バチっと目が合った。
「時田!」
とキジモン。
「オマエは~。出席とってる間にいったい何回欠伸をしてるんだ!?」
って、見てたんだ………。