俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
入学式なるものをするための会場へ向かう間、近くに寄られることはなかったものの二メートルくらい後ろからぞろぞろと続く集団。
そういう目されて嬉しいのは悠由だけだっつーのに。
…そして。
その入学式なるものが終わってからが問題というものだった。
一人出たことによってタガが外れる。
そんな感じだった。
「篠原くん!」
「……」
誰。
「わ、私高校の時からずっと好きで…ここまで来ちゃって…だからその…」
追いかけてきた……ってやつか?
ハァ…。
んなんあのバカだけで十分だっつーの…。
「悪いけど無理」
そのあとに続く台詞は大体想像がつく。
今までも何通りか似たようなのがあった。
そのうちのどれかだろ…。
「し、篠原くん……」
悠由は何度かこういった場面に遭遇した。
その都度こんな風にあしらう俺を見て、あいつは必ず言う。