結婚契約~私の旦那さまは碧い瞳の社長様~《完》
 神さんが『箱舟』に戻って来た。


 雑誌のことを謝ろうとしたが…神さんの視線は空ろだった。

 私は言葉を掛けるタイミングを失う。


 神さんは肩を落として…私の脇を通り過ぎていく。


 「一人になりたいから…書斎には入って来ないでくれ…若菜…君は先に寝るといい」


 寝室とは反対側の書斎に真っ直ぐに入っていく。



 扉を閉める音が……私の心に無情な音として響いた。
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