My Romeo & Your Juliet 【完】
ついに、地区大会の幕が上がる。

まだ舞台に上がってないのに、足の震えが止まらない。

完璧に覚えたはずの台本を握りしめて、舞台袖からステージをのぞきこんでいた。



「大丈夫か…?」

ガチガチに固まってるあたしの両肩に、後ろから手をのせる岡崎先輩。



「瀬木、目を閉じて…」

先輩に言われた通り、目を閉じてうつむく。

「大きく息吸って…
ゆっくりはいて…」

先輩の大きな手が、あたしの肩を包んでいる。

その温もりを感じながら、大きく息を吸う。



「お前ならできるから。自信持って」

「はい…」

自分を強くもたなきゃ…

もう一度、大きく深呼吸する。

あたしはゆっくり目を開いて、ステージへと歩き出した。
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