My Romeo & Your Juliet 【完】
「じゃ、こいつらともお別れだな」

みんなで一生懸命作った大道具を指差す岡崎先輩。

「来年も使えそうなものは、少しだけ体育倉庫に残しとこうかと思ったんだけど…」

一から作った大道具も、全部無くなっちゃうんだ。

あたしたちが辞めたら、演劇部もなくなってしまうかもしれない。



「もう少し、考えさせてください…」

「もともと俺が無理矢理まきこんだようなものだし…仕方ないか」

あたしは断るつもりだと思ってるんだろうか。

割り切った口調が、なんか淋しい。



「返事待ってるから」

岡崎先輩の後ろ姿を見ながら考える。

あたしは、このまま終わってしまっていいんだろうか。



演劇部も…

岡崎先輩への想いも…

全部、消えて無くなっちゃうんだろうか。
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