投げた恋ボール
ドアを開いた私は思わず目を疑った。



「りっちゃん!!久しぶり。」



私のことを“りっちゃん”と呼ぶ青年。


私の記憶の中の姿ではなかった。


でも・・・。
この呼び方をするのは1人しかいない。


「・・・・。優太・・・??」


「おうッ!!」

そう笑った彼の笑顔はまぎれもなく優太だった。



「こんないきなり・・・。」

拓馬に知らされていたものの信じられない自分がいた。



「俺、りっちゃんとの約束果たしたよ!!」


約束・・・。

幼い日の記憶がよみがえる。




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