悪魔なキミと愛契約


握った拳がワナワナ震えたけれど、それをグッと抑えた。


大人になれ。

大人に……


「ルカ、お腹へったでしょ?
朝ごはん、一緒に食べようよ」


引きつる頬を無理に横に引っ張り、笑顔を作った。


「………」


は、早く、なにか答えてくれませんか?

この笑顔、長くは持ちません……


「ブス」


カッチーン!!!!


ブスブスブスブスって

私がどんなにブスでも、あんたには何の迷惑もかけてないでしょうが!!


きぃぃぃっ!!!!

ムカつくーーーー!!


「ルカ。
早く服着て? ほら、これ着るんでしょ?
シキがちゃんとアイロンまでかけて準備してくれてある」


大人になると決めた私は、引きつる笑顔を絶やさぬままルカに接し続けた。


「キモい」


カッチーン!!!!




< 37 / 317 >

この作品をシェア

pagetop