タイトル未定


玄関の中はフローリングで、広い室内には真っ白いファーのカーペット…


壁際にはソファーが並び、奥には何故かダブルベッドがあった。


お兄ちゃんが靴を脱ぐとクイッと繋いだ手を引かれて、私も慌てて靴を脱いだ。


二月の陽気にフローリングなんて寒そう、とか思ったけれど、ここの床は贅沢にも床暖房設備があるらしい。


「……遅い」



見知らぬその低い声に、床を見つめていた私はビクッと肩を上げてしまった。


お父さんが怒った声より怖い声……



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