Long Road
「OH MY GOD!」

彼は、悲しげに呟いた。

「君の名前は難しすぎるよ。」

整った美しい顔立ちなのに、しかめっ面。

「Ta-TYI-Ba-Na」

「チ、だよ。」

「THI」

「なんか、違う・・・。」

「あ~!!もう、ダメだ!発音できない!

・・・よし、そうだ!ターシャだ!これならいける!

君っぽいし。」


金髪の髪をさらさら揺らして、子供のような笑顔。

いたずらっぽく、にっと笑った。

未だかつてない呼び名に面食らっていると、

彼は微笑んだ。

「いいよね?」

その瞳の青の美しさに吸い込まれるかのように、

気が付けば頷いている自分。

思えばもう、あの時からわたしは彼に

恋に落ちていた。


あの天使のような輝くばかりの笑顔に、

わたしの心は、

すっかり射抜かれていた。


でも、しばらく後、彼は知る。

「えっ、ターシャのファーストネームは「SOKA」の方だったの!?

本当に!?

僕はてっきり、あの難しい名前が、

ファーストネームとばっかり・・・。」





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