ただ君だけを。


ごしごしと乱暴に服の袖で涙をぬぐって、ベットに横になる。



今だけは、忘れてしまおう。



自分の醜い心を。




君の笑顔だけ、思い出していよう。




――「夏輝!」――


瞼の裏に浮かんだ、幼い君の純粋な笑顔に、俺はもう一粒涙を流して目を閉じた。




嘘でもいいから



君が



『好き』



と言ってくれたなら




俺は





どうするだろう―――――…?






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