SPIRAL
「俺そろそろ行こっかな。飯島さんも行く?」
「…うん」
私は起き上がり、早川の後ろについていった。
体育館では校長が
話していて生徒は皆
つまらなさそうに聞いていた。
そーっと席に戻ると
私の後ろに座っていた南がひそひそ声をかけてきた。
「留莉大丈夫?また…?」
「うん…」
「そっか…気をつけなよ」
南が私の頭を優しく撫でながら言った。
それだけで
私はとても安心した。
こうして、南とひそひそしている間に入学式はどんどん進んでいった。