キミだけをずっと
「えっ、私?」
私の返事も待たずに大樹は学級委員に手を挙げた。
「俺と橋口、二人三脚」
ちょ、ちょっと待ってよ。
なんかアッサリ決まっちゃったし。
もう黒板には私と大樹の名前は書かれていた。
「佐野、お前リレー出るんじゃなかった?」
「やっぱ辞めた!」
クラスの男子との会話を聞いたところ、大樹は元々リレーに出たかったはずなのに…
しかも大樹は笑顔で男子たちと会話してるし。
着々と競技が決まっていき。私は二人三脚と男女混合リレーに出ることになった。
しかも男女混合リレーは最初に璃沙に誘われて先に女子が埋まって、あとは男子2人が残っていた。
さっきまでしゃべっていて、全く参加していなかった雄大が手を挙げた。
「何余ってんの?」
「混合が余ってるけど」
「おい、大樹!」
「何?」
急に雄大は少し離れた席に座っていた大樹に話しかけた。
「俺と大樹、混合する」
「は?」
大樹は半信半疑な顔で雄大を見ていた。
少し困った顔になった大樹を見て、思わず笑ってしまった。
「ふっ…」
「何だよ!」
「いや、別に〜」
大樹も困ることってあるんだね。