マスカラぱんだ
昼休みのひと気がない裏庭。
校舎の陰になるせいで万年日陰のこの場所は、ジメジメした空気に覆われている。
きっとどこかにキノコが生えて、ナメクジがいるに違いない。
だからこの場所を選んだ。
だって昨日のあの出来事を、誰かに聞かれでもしたら困るから。
親友の優衣に、碧にされたあんなことや、こんなことを打ち明ける。
そんな私の告白を、優衣は頷きながら最後まで聞いてくれた。
「うわぁ。碧ってサイテー。でも未遂で良かったね。お兄さんに感謝かな?」
「でも私も悪のかも。お兄さんも言っていたもん。軽率な行動は慎めって。」
「軽率な?行動?それ、何時代の言葉よ?」