空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
わたしが、お礼を言おうと後ろを振り返ると、たしかにさっきまでそこにいたのに、彼の姿がどこにもなかった。




「えぇ……っ?」



気の抜けたような声が出る。


同時に、背中に寒気を感じた。




鼻の頭に雨のしずく・・・・・・。

もう、きた!!?



「うん。山、おりよっと」



わたしは、誰にも会わなかったように平然を装いながら、おばあちゃんちに引き返した。
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