空の竜〜リュウに選ばれし者たち〜
おばあちゃんが、お茶碗に、ホックホクの炊きたてごはんをよそってくれた。



「ありがとう」


受け取るなり、わたしは真っ黒なひじきを口に入れた。


「おばあちゃんのひじき、お母さんと味、似てる」


「そりゃ、そうや。母ちゃんには、ばあちゃんが料理教えたも同じや」



おばあちゃんは、自信ありげに言った。



お腹も満たされてくると、さっきの山の中で出会った人を思い出す。


雨を教えてくれた。

不思議な人・・・・・・。


おばあちゃんが、おそろしくきれいというほどかはわからないけど。


かっこよかった・・・・・・。



「竜の姿って、人間なの?」




わたしは、聞いた。
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