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「はい…」




授業中。

つい最近の席替えで柳瀬は私の後ろ。
鷹田は結構離れた位置になった。


(めんどくさいなー)


授業が好きなひとって
いるのかな、

そんなことを考えながら
仮病を使うべく俯く。

私がよくやる仮病は
夏でも冬でもカイロを持ち歩いて
仮病を使う時に出して
脇に挟んで熱を上げる方法。
最近極められてバレたことはないけど
疑われなくなった。

バレないように
そっとカイロを袋から出して脇に挟む。


「ここが―…つまりχは―…」

「せんせー」


びくっ。

ちょっとびっくり。
何せ話したのは後ろの席の柳瀬。

まさか脇に挟んだのが見えてた?


「なんだ?柳瀬」


先生が問いかける。
ということは今こっちを見ているわけだ。

…バレないだろうか
バレているとしたら
バラさないだろうか

体や顔に冷や汗が垂れるのがわかる。

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