涙色
「―――風、好きか?」
若くない、低い声
でも優しい声
だれかの、
私が忘れた誰かの声。
「うん!大好き!風も空も海も太陽もみんな好き!」
高く、幼い声。
これは、ー―ワタシ?
「そうか。好きなものいっぱいあって幸せだなぁお前は」
「あはは!そうでしょう!でもね。最近気づいたの!」
――雑音がひどくなってく
ザザザザザザァァ・・・
「ワタシはこんなに好きなのに。」
ザザザザ・・。
「風も空も海も太陽も!みんな―――」
ザザザザザザザァアアアア!!!
――ーみんな?