INCOMPLETE A PICTURE BOOK



いつのまにか緒方の目にも大粒の涙が流れていた。


「……弥太郎、お前、羨ましいな」



緒方から出た言葉はそれだけ。



潤に至っては声すらでない。



嗚咽が潤の声をさえぎる。


そして弥太郎が2人の方に振り返った。


その目は涙の流しすぎで赤くなっている。



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