《短編》猫とチョコ
決意
正月気分が抜けたと思ったら、間髪入れずに始まった3学期。


このクラスで迎える、最後の3ヶ月。


やっぱりクジ運が悪いのかあたしは、願っていたみぃの席の近くにはなれなかった。


自分の気持ちを再認識してからというもの、毎日に一喜一憂。


もちろんそれは、みぃの行動次第なのだから結局、

あたしは振り回されているってことなんだけど。


初詣のお祈り虚しくみぃが風邪で休んだある日、

またしても決めることになった委員会。


バレンタインの日にある、3年生の卒業を後輩達が一足先に祝う会。


“おめでとう委員”とかってふざけた名前の委員を、

男子はこぞってみぃに押し付ける。


結局文化祭同様、女子はクジで決めることになった。


嫌な予感はしたものの、みぃと一緒なら良いのかなって思って待つ発表。



『高岡な。』



あたしじゃなかった。


みぃの隣の席になった、趣味が読書のような物静かな子。


正直、複雑だったけど。


キャピってみぃを狙ってるような子じゃなくて、安心はした。




『ヒナ、残念だったねー(笑)』


ププッと笑いながら、サクラが近づいてきた。



「…良いのよ。
それに、やっぱり苦労は買ってまでするもんじゃないし。」


『でも、この一ヶ月は気合入れなきゃ!
何てったって、バレンタインがあるじゃない!』


やっと新学期も始まったばかりだというのに。


だけど、勝負を掛けるのはその日しかない。


来年になればもしかしたら、クラスが分かれてしまうかもしれないから。


それまでに、やれるだけのことをやっておかなきゃ。


てゆーか、友達の枠から前進しなきゃ。


そう誓ったあたしの意に反するように、時計の針が進みだす。


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