初彼=偽彼氏


 ……もうホンットなんなの神藤くんは。さっきから彼にあたしのペースを崩され、すぐに神藤くんのペースになってしまう。


「――とにかく!!理由を聞かない限りあたしは今回のことに関しては納得出来ないし、しない。もちろんその理由なちゃんとした理由でなかったらこの話もなかったことにするから……そのつもりで」


 ……と言ったところで、今何時?と思って携帯を開き、時間を確認してみれば…13時15分をとっくに過ぎていて。…てことは計算すると、15分以上もこの件で神藤くんに捕まっていたことになる……。

 ――え、なにそれ……ありえない。最悪以外言いようがないよ。


「――とりあえずもう時間も時間だし…あたしは教室戻るね?……んーとこの話の続きは、今日の放課後、そうだね……4時頃に裏庭のテラスで良い?」


「―あ…、ああ」


「……それじゃそういうことで。じゃあね~…、あっ、遅れるの禁止だから!」


「…わかった。じゃ、放課後に」


 …そんなやり取りをして神藤くんと別れて、あたしは教室に向かう。


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