紅い山 蒼い月
職場2

駅のホーム

午前7時半、駅の改札口で手押し車で歩くお婆さんを見た。

足がプルプルしてて大丈夫かと思ったら

階段で手押し車を小脇に抱えて上がって行った。

アレ 必要なんか?


7時半から何処に向かうんだろうか?

しかも自販機で缶コーヒーを買っていた。

買う前にコーラを買うか悩んでいた。



私は満員電車が嫌いなので

比較的空いてる各駅停車に乗っても間に合うよう

この時間帯を選んでるのだが

あのお婆さんは満員の特急に乗り込んで行ったではないか!


「ちょっとすいませんね」と手押し車を押しながら乗り込んで行った。


お婆さん以外にも多くの人が乗り込み

お婆さんがもみくちゃにされていってる。

人々に弾かれるように奥に追いやられ扉が閉まった。


手押し車がホームにポツンと取り残され、電車は発進してしまった。


主を失った手押し車から突如「ピーッピーッ!」と電子音が鳴った。


一体何を積んでるんだ?

一瞬、動いたように見えたが気のせいか?


ちょっとしてから駅員さんが現れて

「あー、またか」と呟きながら

駅員2人掛かりで手押し車を持ち上げて駅長室に運んで行った。


2人掛かりって、そんなに重たいモノを積んでるのか?

あのお婆さんは一体何者なんだ?


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