妖魔０６～晴嵐～
「裁きを受けろ」

足に力をいれ踏み込み、勢いよく前へと突出してきます。

地面に足跡が残るほどの力を込めているために、速度は並以上といえますね。

そのまま、拳を真横に振ります。

私達三人は回避します。

同時に、私はナイフを生成して投げつけ、野川さんは鉄球を投げつけます。

わき腹にナイフが刺さり、首に鉄球がめり込みますが、ひるむ事なく次の行動に出ます。

狙いを定めているのは、ロベリアさんのようですね。

「世界には救いが必要だ」

「私が信じるのは王子様です」

能力によってロベリアさんは掌から風を噴出します。

自分から遠ざけようとするためのモノなのでしょう。

しかし、鬼の手足を振るうことで、風を切り裂きましたよ。

そのまま、距離を殺します。

「救いの礎となれ」

拳がロベリアさんを捉えようとします。

「一点網羅・改」

少し離れた位置から野川さんが腕に向けて刀を投げつけます。

同時に戻ってきていた鉄球を投げつけていました。

刀が腕に刺さり、コンマ１秒に時間差で柄の先に鉄球が後方援護するかのようにぶつかります。

そして、風間さんの腕が刀によって真っ二つとなります。

腕は地面に落ちますが、表情を変えず勢いも殺しません。

ロベリアさんに向けて、蹴りを放ちました。

ロベリアさんは風を噴射させ遠ざかろうとします。

少しでも助けになるかと思い、私も三本のナイフを生成し投げつけておきます。

風間さんの首、肩、足に刺さりました。

その間に風間さんの蹴りを何とか回避したロベリアさんは、距離を離して地に降り立ちます。

しかし、ロベリアさんは血を吐き出してしまいます。
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