隣人は変人です


"くっくっくっ"

何が可笑しいのか? 私を見ながら笑いを押さえてる様子。

ムカムカムカ。
あ~、なんなのよ。
ムカムカして来た。

葵ちゃんは私を革張りのソファーに座らせて、そっと抱き寄せた。

「笑ってごめんね。説明するから、そんなに怒らないで」

「うん」

「あのね、オレがデザインの仕事をしている事は知ってるんだっけ? アレ? 何でた?」

「うん。知ってるよ。
それで?」

葵ちゃんは、頭を混乱させていたけど、続きを聞きたいんだもん。

「うん。そっか。
それで、このアパートもオレのデザインなんだ」

「え?」

「設計はしてないよ。あくまでもデザインしただけ。

でね。オーナーのご好意で、ひと部屋をオレの好みの部屋にして貸してくれる話になったんだ。

だから、この部屋はオレ専用だよ」

「……」

「ここまではOK?」

「おーけーだけどさ」

「うん? まだ不服そうだね」

「………」

「何? 言ってごらん。
何でも答えてあげるから」

そんな甘いセリフを吐きながら、私の首筋にキスを落とした。

"ひゃん"

きぇ。
葵ちゃんが甘すぎる。

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