隣人は変人です


「おいしそう。早く準備しよう」

仲直りした夜、葵ちゃんはすき焼きの材料を持って私の部屋に現れた。

「今日はね、春花ちゃんと仲直り記念で、"好き"焼きなんだよ」

まったくもう。
恥ずかしい事サラッと言うんだから。

言われた私は、何て反応すればいいのよ。恥ずかしいじゃない。

「顔真っ赤だよ。春花ちゃんは"好き焼き"嬉しくないの?」

そんなうるうるな目で見つめないでよ。

うん、もう。
こうなったら素直になってやるわよ。

「嬉しい。すごく嬉しい」

もうついでだ。
みんな暴露だ。

「はい。これお揃いのお箸。キラキラが付いてかわいいでしょ?

後ね、私もデザート作ったの。プリンだよ。

後でたべ…」

"うっ…ん"

最後まで言わせて貰えなかった。

だって一足お先に私の唇が食べられちゃったから。

「オレは、春花ちゃんが大好きだよ」

そんな。
甘い甘い2人の食卓は、
幸せがいっぱい溢れてる。


オマケend

< 25 / 39 >

この作品をシェア

pagetop