隣人は変人です
「おいしそう。早く準備しよう」
仲直りした夜、葵ちゃんはすき焼きの材料を持って私の部屋に現れた。
「今日はね、春花ちゃんと仲直り記念で、"好き"焼きなんだよ」
まったくもう。
恥ずかしい事サラッと言うんだから。
言われた私は、何て反応すればいいのよ。恥ずかしいじゃない。
「顔真っ赤だよ。春花ちゃんは"好き焼き"嬉しくないの?」
そんなうるうるな目で見つめないでよ。
うん、もう。
こうなったら素直になってやるわよ。
「嬉しい。すごく嬉しい」
もうついでだ。
みんな暴露だ。
「はい。これお揃いのお箸。キラキラが付いてかわいいでしょ?
後ね、私もデザート作ったの。プリンだよ。
後でたべ…」
"うっ…ん"
最後まで言わせて貰えなかった。
だって一足お先に私の唇が食べられちゃったから。
「オレは、春花ちゃんが大好きだよ」
そんな。
甘い甘い2人の食卓は、
幸せがいっぱい溢れてる。
オマケend