S・S・S










「バカバカバカバカ!トウマのバカっ!!」






バコン!と鈍い音を立ててゴミ箱が転がった。



あたしの怒りを一身に受けて

かわいそうなプーさんは

ゴミ箱経由で床に叩きつけられ、仰向けになっている。





「ヤダもう、誰よ、ワインなんか飲んだの……」




うまくいかない時って、何やってもうまくいかない。

ゴミ箱が倒したガラス瓶からボルドー色の液体が流れ出し、床とぬいぐるみを一気に染めていった。





「うわわわわわ!!! サラちゃん、何してんのよ!!!プーが血染めじゃないの!!!って、あーー!!!それ、あたしのビンテージワイン!!!!!」


「あ……サエさん…」





入り口を見ると
おかゆのトレイを片手に持ってサエさんが、絶叫していた。








―――… ごめんね、プー。




高級赤ワインに染まったプーさんのぬいぐるみを目の端に映して、その哀れな姿に泣きそうになった。




――… なんてこと、しちゃったんだろ、あたし……









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