ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜



え……携帯?



「持ってんだろ、どうせ。取らないから…貸せ!」



うちの学校は、携帯の持ち込みを禁止している。



けどそれは表向きで、授業中に鳴らさなければ持ち込みOKという、先生と生徒と間での暗黙の了解が、いつしか出来ていた。



もしそれを破れば…
没収という罰を受ける。



「……はい。」



そんなことを思い出しながら、私は村沢に携帯を渡した。



なに…するんだろ?



そう思って村沢を見ていると、村沢は突然自分と私の携帯で赤外線通信を始めた。



「…え〜っ!?」



ちょっと…
マ、マジですか…?



「…なに驚いてんだよ。はい、返す。これで向こう行っても、いつでも連絡出来るだろ?」



「あ……」



そうだ。
すっかり忘れてた。



私…
引っ越すんだった─













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