ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜

まさかの……




そんな状態がしばらく続き、私もようやく新しいクラスや時間割に慣れ始めた時─



奇跡なのか、偶然なのか…
それは起こった。









「次は……あ〜、生物か。」



ある日のこと。



次の6限は生物で、私は瑞穂とこのクラスで新しく知り合った杉下 彩花【スギシタ アヤカ】、通称彩ちゃんと話をしていた。



「言っちゃ悪いけど、正直神野先生の授業って、全然面白くないよね〜?」



確かに……



村沢の授業に慣れていたせいか、神野先生の授業には違和感がすごいある。



根本から違うし──



「わかる〜。なんかつい眠くなっちゃうし…私、生物は寝る時間になりそ〜」



彩ちゃんは、綺麗な長い髪をいじりながらそう言った。



……2人の意見に、私も普通に納得してしまう。



「あ、もうそろそろチャイム鳴るじゃん…移動移動っ!」



3年から生物は、英語演習とどちらを取るか決める選択科目になった。



私は生物。
理由は…特にない。



関係ないよ……
『あいつ』とは。










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