とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~


その後は右京にとって最悪の1日になった。


寝起きにプールに放り込まれた方がまだマシだ…


まず食堂の手前でジェイクを見つけてマイケルがどこに居るか聞く前に『おいしいな』と言われた。


『だけど部屋に連れ込むなら鍵くらいかけとけよ?』

『なんの話だ…』


そう聞く右京にジェイクは携帯を見せた。

それはマイケルからのメールで“浮気現場目撃!”とタイトルをつけられた右京とリサが寄り添って寝ている写真だった。


『…有り得ない…アイツ何考えてんだ!?』

『何も考えてないに決まってるじゃないか。』


ワナワナ震える右京の肩に手を回してジェイクはにやけた。


『マイクなら食堂で今頃…』

『マ~イ~ク~!!』


ブチキレて食堂に入って行く右京をジェイクは『面白くなって来やがった!』と目を輝かせた。


右京はいつもの仲間と談笑するマイクを見つけるや否や、思いっきり飛び蹴りを喰らわした。


『いったたたぁ~…いきなり何するんだ!』

『何するんだ…だと?

息の根を止めるんだよ!』


そう言う右京を虎太郎が慌てて止めた。


『落ち着け、右京!いつもの悪戯だから~!』


その様子に爆笑するのはジェイクだけだった。



その日を境にマイケルはしばらくの間は大人しかった。




…あくまでも“しばらくの間”だけど…





まだまだ右京の波乱万丈の日々が続くのは約束されている様だった。


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