あたしの前だけ俺様王子☆
だけど、そんなアイツの姿でさえも目が追ってしまう。
寝ているアイツを凝視してしまっているあたし、なんだか嫌だ。
「そんなに見たいなら、近く行けばいいのに~」
そう言ってからあたしの背中を押す美紀の力は、尋常じゃないくらい強い気がした。
『み、美紀っ』
つい出てしまった大きな声。
そして、ほんとにいつもタイミングが悪いあたし。
「なに、騒いでんの?」
…騒ぎすぎた。
アイツを起こしてしまったみたいだし。