キミといたくて ~AYA~

第2話


“あ、それ雑誌の付録だったステッカーだよね? 野々瀬さん、Monster好きなの?”

“え……あ、うん……”

3年になって、最初の登校日。

春休みの間、ずっと抱いていた「友達できるかな」って不安は、席についた瞬間、余計な心配だったんだと気づいた。

“いいなぁ! あたしも2か月前からファンなんだけど、このステッカーって夏の付録だよね? そんときの雑誌を持ってる子、周りにいないんだぁ”

カバンのフタの内側に貼っていた、Monsterのステッカー。まさか、これが友達を作るきっかけになるだなんて。

“あげようか? これと同じやつ、友達がくれたから……もう1枚あるの”

“マジで!?”

周りにはいないタイプだった。

初対面だと思わせないほどの人懐っこさ。目を大きく見開いて、元気いっぱいに話しかけてくる姿が、妙に可愛かった。

真由美は、相手に「仲良くなりたい」と思わせるのが得意だと思う。
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